ベランダの防水工事は、戸建て住宅の維持管理において重要な課題です。
雨漏りの原因となるだけでなく、建物の寿命にも大きく影響します。
しかし、防水工事の種類や手順、費用、業者選びなど、分からないことが多く、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
今回は、ベランダ防水工事の手順を主な工法別に解説し、費用相場や業者選びのポイントをご紹介します。
戸建て住宅オーナーの皆様が安心して工事を進められるよう、分かりやすく説明することを目指します。
ベランダ防水工事の手順と種類
ウレタン防水の施工手順・密着工法
ベランダ防水工事で最も一般的な工法です。
既存の防水層を撤去した後、下地を丁寧に清掃し、プライマーを塗布します。
その後、ウレタン塗料を2回以上重ね塗りし、最後にトップコートを塗布して完了です。
密着工法は比較的安価で、複雑な形状にも対応できるため、多くのベランダに適しています。
施工期間は、ベランダの広さにもよりますが、通常3～4日程度です。
ウレタン防水の施工手順・メッシュ工法
密着工法よりも耐久性を高めたい場合に適した工法です。
ウレタン塗料を塗布する前に、ガラス繊維メッシュを貼り付けることで、防水層の強度を高めます。
ひび割れや剥がれを防ぎ、防水層の寿命を延ばす効果が期待できます。
施工手順は密着工法とほぼ同様ですが、メッシュの貼り付け工程が追加されます。
施工期間は、ベランダの広さにもよりますが、通常4～5日程度です。
ウレタン防水の施工手順・通気緩衝工法
湿気がこもりやすいベランダや、既存の防水層に問題がある場合に有効な工法です。
通気緩衝シートを敷き込み、その上にウレタン塗料を塗布します。
シートに設けられた通気口から湿気を逃がすことで、防水層の膨れや剥がれを防ぎます。
施工は複雑で、熟練の技術が必要となるため、費用は高めになります。
施工期間は、ベランダの広さにもよりますが、通常5～7日程度です。
その他の防水方法と特徴・FRP防水、シート防水など
ウレタン防水以外にも、FRP防水やシート防水などがあります。
FRP防水は、ガラス繊維と樹脂を組み合わせた高耐久性の防水層を形成します。
シート防水は、あらかじめ工場で製造された防水シートを貼り付ける工法です。
それぞれの工法にはメリット・デメリットがあり、ベランダの形状や状態、予算に合わせて最適な方法を選択する必要があります。
FRP防水は耐久性が高い一方、費用が高く、シート防水は安価ですが、複雑な形状には不向きです。
ベランダ防水工事の費用
各工法の費用相場
ベランダ防水工事の費用は、ベランダの広さ、使用する材料、工法によって大きく異なります。
ウレタン防水の場合、密着工法が最も安価で、㎡あたり5,000円～10,000円程度、メッシュ工法は6,000円～11,000円程度、通気緩衝工法は7,000円～12,000円程度が相場です。
FRP防水やシート防水は、ウレタン防水よりも高価になる傾向があります。
ただし、これはあくまでも目安であり、実際の費用は業者によって異なる場合があります。
まとめ
ベランダ防水工事は、建物の寿命を左右する重要な工事です。
今回は、ベランダ防水工事の手順を主な工法別に解説し、費用相場をご紹介しました。
防水工事は、専門的な知識と技術が必要なため、信頼できる業者に依頼することが大切です。
